雨のあと、大原を歩く 彼岸花 京都大原
山肌をゆっくりと流れる霧。その下に広がる里の景色から、大原の朝が始まった。
霧をまとった山と彼岸花の赤。静かな田畑に、秋が少しずつ降りてきている。
畑の畝をたどった先には山と集落。朝市には、土の匂いを残した野菜や栗が並んでいた。
小さな川のそばに咲く彼岸花。少し色づいた木々の向こうにも、いつもの暮らしが続いている。
草むらの奥にそっと咲く一輪と、雨粒をまとった赤。雨の日だから見つけられる表情がある。
川音のそばに群れる彼岸花。山を背景にすると、その赤は大原の風景の一部になっていった。
雫を抱えた花に近づき、草の中では少し離れて眺める。小さな秋を行ったり来たりしながら歩く。
雨に濡れた草の穂にも秋の気配。歩き疲れた頃、ようやく朝のコーヒーへ。
冷たい飲み物を片手に振り返ると、霧も雨も濡れた草も、全部がこの日の大原だった。
...
雨の日にしか見えない大原
晴れた日の大原なら、きっともっと明るく、山も田畑もくっきり見えたのだと思う。
けれど、この日の景色には霧があった。山の稜線を隠したり見せたりしながら流れていく白い霧。
その下には畑があり、家々があり、小さな川が流れている。
朝市に並ぶ野菜や栗を眺めていると、ここでは美しい風景と日々の暮らしが、
特別に分けられることなく同じ場所にあるのだと感じた。
川沿いを歩けば、彼岸花があちらこちらに赤い灯りのように咲いていた。
雨粒を抱えた花も、草の向こうにぼんやり浮かぶ花も、晴れの日とは少し違って見える。
足元の名も知らない草まで瑞々しく、立ち止まる回数が自然と増えていった。
たくさん歩いて、少し疲れて、最後はコーヒースタンドへ。
冷たい飲み物を片手に振り返ると、霧も雨も濡れた草も、全部がこの日の大原だった。
晴れを待たなくてもいい。
そんなことを、雨上がりの里が教えてくれた気がする。
...
Essay & Photography
by Koto
📍京都大原
📷 FUJIFILM X-T5 X-E5
📱iphone17pro
🐈2026/09/27
| 固定リンク
「08京洛四季 秋」カテゴリの記事
- 雨のあと、大原を歩く 彼岸花 京都大原(2026.09.27)
- 歩いていた時間(お正月特別版)(2026.01.03)
- 京都紅葉めぐり 南禅寺・永観堂(2025.11.22)
- 静寂に染まる、晩秋の紅葉 京都亀岡 鍬山神社(2025.11.16)
- 京都 トロッコ保津峡駅 紅葉(2024.12.28)


















