岐阜めぐり 株杉の森 熊鈴の音が響く、株杉の森へ
岐阜めぐり 株杉の森 熊鈴の音が響く、株杉の森へ
8月の森に、まだ紫陽花。少し遅い季節の色に出会いました。
大きな木の根元で静かに咲く、淡いブルーの紫陽花。
紫陽花に見送られるように、少しずつ深い森の中へ。
森の奥に現れた株杉。長い年月がつくった不思議な光景。
古い株から、再び空へ伸びる杉。その生命力に圧倒されます。
足元から見上げた杉の森。木々の隙間に夏の空がのぞきます。
刻まれた年月を感じる木肌。近づくほど、その存在感は大きく。
森を抜けて眺めた山の緑。あの深い森が静かに広がっていました。
・・・
名もなきモネの池をあとにして、向かったのは「21世紀の森」。
8月1日。真夏だというのに、森の入口ではまだ紫陽花が咲いていました。
標高が高いからでしょうか。
少しくすんだ青や白の花が深い緑によく似合い、
ここだけ季節がゆっくり進んでいるようでした。
その先に待っていたのが「株杉の森」。
長い年月を経た巨大な杉の株から、何本もの新しい杉が空へ向かって伸びています。
古い株と若い幹がひとつになった姿は不思議で、どこか神秘的。
十数メートルもの高さへ伸びていく杉を見上げていると、
自然が持つ生命力の強さに圧倒されます。
ただ、この日の撮影には少し緊張感もありました。
これまで風景を撮り歩く中で、イノシシや大蛇、
そして天然記念物のニホンカモシカと遭遇したことがあります。
思いがけない場所で野生動物と出会うことは、
決して想像の中だけの話ではありません。
そう考えると、
この深い森で熊に出会ったとしても不思議ではない。
周辺には沢もあり、人の気配も少ない。
熊鈴を鳴らしながら歩いていても、風で葉が揺れたり、
どこかで枝が折れる音がしたりするたびに、思わず周囲を見渡します。
それでも目の前に現れる株杉の姿には、
立ち止まってカメラを向けたくなる。
美しさと、少しの怖さ。
自然を撮るということは、
その両方に触れることなのかもしれません。
熊鈴の音を森に響かせながら歩いた、
8月の株杉の森。
圧倒的な生命力と静けさ、
そして撮影中に感じた緊張感まで、
この日の記憶として残しておきたいと思います。
2026.8.1
岐阜県関市 板取
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