香川めぐり 豊島美術館へ ― 風景に寄り添う建築
豊島美術館へ ― 風景に寄り添う建築
港に着くと、瀬戸内の時間がゆっくり流れ始めました。
ここから向かうのは、一度は訪れたかった豊島美術館です。
海へ向かって真っすぐ伸びる坂道。
期待が少しずつ大きくなっていく、この道も旅の一部でした。
木々の間から、静かに姿を現した白いドーム。
建築というより、大地が少しだけ膨らんだようにも見えました。
瀬戸内海と棚田が一枚の風景になる場所。
建物は、この景色の中に溶け込むように存在しています。
離れて眺めるほど、その存在は控えめ。
自己主張するのではなく、風景の一部としてそこにありました。
近づくと、大きなコンクリートの塊ではなく、
やわらかな一滴の水のような形に見えてきます。
柱も梁も感じさせない、なめらかな曲面。
シンプルなのに、ずっと眺めていたくなる造形でした。
横から見ると、建物というより丘のよう。
人工物なのに、時間とともに自然へ還っていくような印象を受けました。
森の小径を歩きながら、豊島で過ごした静かな時間を思い返しました。
この一日は、瀬戸内の風景とともに、心にそっと残っていきます。
・・・
豊島美術館は、「建築を見る場所」ではありませんでした。
建築家・西沢立衛さんとアーティスト・内藤礼さんが生み出したこの場所は、
風や光、水、鳥の声までも作品の一部として受け入れています。
柱のない薄いコンクリートシェルには二つの大きな開口があり、
空や風景とゆるやかにつながる空間が広がっています。
外から眺めれば、建物は大地にそっと置かれた一滴の水のようです。
近づいても威圧感はなく、むしろ風景の中へ静かに溶け込んでいます。
写真では内部をお伝えできませんが、だからこそ外観や周囲の風景を丁寧に切り取りました。
建築そのものだけではなく、港から続く道や瀬戸内海の眺めも、
この美術館を形づくる大切な要素だと感じたからです。
瀬戸内を巡る旅の中で、最も静かで、最も豊かな時間でした。
建築は人を驚かせるためだけではなく、自然と向き合うきっかけにもなる。
そのことを改めて教えてくれた場所です。
📍香川県・豊島美術館
📷 FUJIFILM X-T5 & iphone17pro
🐈2026/07/25
| 固定リンク
「21建築|その他の地域」カテゴリの記事
- 香川めぐり 父母ケ浜 夕暮れ(2026.07.31)
- 香川めぐり 瀬戸内の青を切り取る建築|東山魁夷せとうち美術館(2026.07.30)
- 香川めぐり 静かな建築をたどる旅|谷口吉生のMIMOCAへ(2026.07.29)
- 香川めぐり 豊島美術館へ ― 風景に寄り添う建築(2026.07.28)
- 香川めぐり 夕景に溶ける建築 あなぶきアリーナ香川(後半)(2026.07.27)













