2026年10月 6日 (火)

水と光に浮かぶ建築 SIMOSE MUSEUM

昨年の秋に訪れた、下瀬美術館。
一年近く経って写真を見返すと、
あの日の光と色が、静かに蘇ってきました。

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瀬戸内の海辺に佇む、小さな美術館。
アートを見るために訪れたはずが、
いつの間にか建築そのものに惹かれていました。

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木が枝を広げるように、天井へ伸びていく。
構造でありながら、どこか生命を感じるかたち。
思わず足を止めて、見上げてしまいます。

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水の上に浮かぶ、淡い色の展示室。
ガラスには空と光が重なり、
時間とともに建築の表情も変わっていきます。

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その向こうには、瀬戸内の海と街。
建築だけで完結するのではなく、
この場所の風景すべてが、美術館の一部のようでした。

 

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朝、空が鮮やかに染まりました。
水と光の美術館を歩いた、その余韻を残すように。
今も記憶に残る、瀬戸内の朝焼けです。

Essay & Photography
by Koto

📍 下瀬美術館|広島・大竹
📱 iPhone 12 Pro Max
🐈 2025.11.23

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2026年10月 5日 (月)

SAKAKURA BASE|光と構造を歩く 三重・伊賀

伊賀の街で出会った、坂倉準三の建築。

外から眺め、内部を歩き、
階段を上り、光を追い、
ときには小さな納まりに足を止める。

建築士として見ること。
写真を撮る人として見ること。

二つの視線を行き来しながら、
この建築をゆっくり歩いてみた。

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水平に長く伸びる建物と、繰り返される柱。
華やかさではなく、静かな力強さで街に佇む。
まずは少し離れて、その姿を眺めてみる。

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中へ入ると、外観からは想像できなかった広がりが現れる。
コンクリートの骨格と木の温もり。
異なる素材が、ひとつの空間の中で静かに重なっていた。

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規則正しく並ぶ書架と、その上を走る力強い梁。
本を探しながら歩く、その何気ない動きの中にも、
建築のリズムが感じられる。

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トップライトから落ちる光が、
梁や柱の輪郭をゆっくりと浮かび上がらせる。
構造であるはずのコンクリートが、
ここでは光を受け止める風景になっていた。

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階段を上る。途中で振り返る。
ほんの少し高さが変わるだけで、空間の見え方も変わっていく。
目的地へ向かうためだけではない。
移動する時間そのものが、この建築の一部になっている。

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天井を見上げると、梁、光、設備、仕上げが重なっている。
隠して整えるのではなく、
それぞれの存在を受け入れながら空間をつくる。
そんな素直さにも惹かれた。

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そして、どうしても目が止まってしまう場所。
コンクリートに取り付く手摺。
細い縦桟が床に落ちる、その足元。
建築士として建物を歩いていると、
こういう小さな納まりを素通りできない。

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階段の先に光があり、
大きな開口の向こうには空と街が見える。
内部にいながら、外の気配を失わない。
階段を上るたびに、内と外の距離が少しずつ変化していく。

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ここではiPhoneを手に、少しだけ写真遊び。
書架を前景にして奥へ視線を送ったり、
パンチングメタルに映る光を追ってみたり。
建築を「記録する」ことから少し離れると、
また違った空間の表情が見えてきた。

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午後の光がコンクリートの壁をかすめ、
荒い肌や型枠の跡を静かに浮かび上がらせる。
形を追いかけていた視線が、
いつの間にか光と素材だけを見ていた。

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最後に図面と模型を見る。
さっきまで歩いていた階段も、
見上げていた梁も、光が落ちていた場所も、
ここでは線と形になって現れる。
写真で感じた空間を図面の中でもう一度たどると、
建築を見る楽しさが、もう一段深くなっていく。

...

坂倉準三の建築を歩いていて印象に残ったのは、
ひとつの強い造形というより、歩くことで少しずつ姿を変えていく空間だった。

水平に伸びる外観から中へ入り、書架の間を歩く。
トップライトを見上げ、階段を上り、また振り返る。
そのたびに、梁や柱、開口、光の関係が違って見える。

建築士という仕事をしているせいか、手摺の取り付きやコンクリートの打肌、
部材同士が出会う場所にも自然と目が向く。
今回も気がつけば、そんな小さなところにカメラを向けていた。

一方で、写真を撮っていると、図面を読むときとは違う視線が生まれる。

書架をぼかしてその向こうを見る。
金属の表面に揺れる光を追う。コンクリートにできた陰影を切り取る。

そこには構造でも機能でもない、ただ「きれいだ」と感じる瞬間がある。

そして最後に図面を見ると、写真の中で感じていたものが、再び建築としてつながっていく。

建築士として見ること。
写真を撮る人として見ること。

その二つの視線を行き来できることが、
今の自分にとって建築を訪ねる楽しさなのかもしれない。

坂倉BASEを離れてからも、
心に残っていたのは建物の形だけではなかった。

コンクリートの肌と、
そこに落ちていた静かな光。

そんな小さな記憶もまた、
建築を歩いた時間の一部なのだと思う。

...

Essay & Photography
by Koto

📍SAKAKURA BASE|三重・伊賀
📱iphone17pro
🐈2026/10/03

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2026年9月27日 (日)

雨のあと、大原を歩く 彼岸花 京都大原

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山肌をゆっくりと流れる霧。その下に広がる里の景色から、大原の朝が始まった。

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霧をまとった山と彼岸花の赤。静かな田畑に、秋が少しずつ降りてきている。

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畑の畝をたどった先には山と集落。朝市には、土の匂いを残した野菜や栗が並んでいた。

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小さな川のそばに咲く彼岸花。少し色づいた木々の向こうにも、いつもの暮らしが続いている。

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草むらの奥にそっと咲く一輪と、雨粒をまとった赤。雨の日だから見つけられる表情がある。

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川音のそばに群れる彼岸花。山を背景にすると、その赤は大原の風景の一部になっていった。

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雫を抱えた花に近づき、草の中では少し離れて眺める。小さな秋を行ったり来たりしながら歩く。

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雨に濡れた草の穂にも秋の気配。歩き疲れた頃、ようやく朝のコーヒーへ。

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冷たい飲み物を片手に振り返ると、霧も雨も濡れた草も、全部がこの日の大原だった。

...

雨の日にしか見えない大原

晴れた日の大原なら、きっともっと明るく、山も田畑もくっきり見えたのだと思う。

けれど、この日の景色には霧があった。山の稜線を隠したり見せたりしながら流れていく白い霧。
その下には畑があり、家々があり、小さな川が流れている。

朝市に並ぶ野菜や栗を眺めていると、ここでは美しい風景と日々の暮らしが、
特別に分けられることなく同じ場所にあるのだと感じた。

川沿いを歩けば、彼岸花があちらこちらに赤い灯りのように咲いていた。
雨粒を抱えた花も、草の向こうにぼんやり浮かぶ花も、晴れの日とは少し違って見える。
足元の名も知らない草まで瑞々しく、立ち止まる回数が自然と増えていった。

たくさん歩いて、少し疲れて、最後はコーヒースタンドへ。

冷たい飲み物を片手に振り返ると、霧も雨も濡れた草も、全部がこの日の大原だった。

晴れを待たなくてもいい。
そんなことを、雨上がりの里が教えてくれた気がする。

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Essay & Photography
by Koto

📍京都大原
📷 FUJIFILM X-T5 X-E5
📱iphone17pro
🐈2026/09/27

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2026年9月22日 (火)

建築と、もう一度向き合う一日 国立京都国際会館 ICC Kyoto Open Day

建築と、もう一度向き合う一日 国立京都国際会館 ICC Kyoto Open Day

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重く水平に伸びる外観から内部へ。想像以上の空間が、その先に待っていた。

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斜めに走る柱と梁。その力強い構造が、歩くたびに違う景色をつくり出す。

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壁をなぞる自然光と連続する灯り。暗がりの中で、光そのものが道標になる。

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無彩色の空間に差し込む鮮やかな色。近づくほど、ガラスの表情が見えてくる。

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重厚な建築の中に浮かぶ柔らかな灯り。見上げるたび、また違う表情に出会う。

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建築と一緒に時を重ねてきた家具。その形と色も、この空間をつくる大切な要素。

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人が座り、話し、行き交う。人の姿が入ることで、建築の大きさが見えてくる。

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巨大な建築を支える形や素材。その細部にも、静かな美しさが宿る。

 

歩いて。見上げて、立ち止まる。

何度巡っても、まだ見ていない景色がそこにありました。

...

 

あとがき|建築と、もう一度向き合う一日

昨年2025年11月1日、京都モダン建築祭で国立京都国際会館を訪れました。

その日はガイドツアーに参加し、普段なかなか見ることのできない場所まで
案内していただきました。一般開放のプログラムやイベントもあり、
館内は大勢の人で賑わっていました。

建築を知るにはとても貴重な機会でしたが、写真を撮るという意味では、
じっくり建築と向き合うところまではいかなかったように思います。

実は、そのときの写真もまだブログでは紹介できていません。
いつかきちんとまとめたいと思いながら、季節だけが先に進んでしまいました。

そして今回、一般の方も入館できる「ICC Kyoto Open Day」に合わせて、
再び国立京都国際会館へ。無料開放です。

朝10時から夕方17時まで、ほぼ一日をここで過ごしました。
食事をしたり、本を読んだり、椅子に腰掛けて空間を眺めたり。
時間に追われることなく、カメラを手にオープンエリアを
何度も行ったり来たりしました。

巨大なコンクリートの柱と梁、大胆な斜線がつくる空間。
この建築を設計したのは、建築家・大谷幸夫。
丹下健三研究室で広島平和記念公園などの設計に携わったのち、
国立京都国際会館の設計競技で選ばれ、この建築を生み出しました。

台形を思わせる独特の外観、巨大なコンクリートの柱と梁、
繰り返される大胆な斜線。
どこを切り取っても、この建築にしかない強い個性があります。
それでいて、長い時間を館内で過ごしていると、
その力強さの中に不思議な落ち着きも感じられました。

そこに浮かぶ照明、鮮やかなステンドグラス、時代を感じさせる家具。
同じ場所でも、立つ位置や見上げる角度を少し変えるだけで、
また違った建築の表情が現れます。

そしてもうひとつ、今回の撮影には小さな節目がありました。

愛用しているFUJIFILM X-T5(2022年11月購入)が故障から戻ってきて、
これが復帰第一弾の撮影。故障するまでに切ったシャッターは100,672回。
ずいぶん一緒にいろいろな景色を見てきたカメラです。

1966年の開館から長い時間を重ね、それでもなお新鮮な驚きを与えてくれる建築。
そして10万回以上シャッターを切り、また手元へ戻ってきたカメラ。

少し大げさかもしれませんが、
そんな二つとゆっくり向き合えた一日になりました。

昨年の京都モダン建築祭の記録については、また改めて。
食事やこの日一日の小さな出来事も、別のお話にしたいと思います。

まずは16枚の写真から、
国立京都国際会館という建築のすごさを、少しでもお伝えできれば。

—— 国立京都国際会館にて。

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Essay & Photography
by Koto

📍京都・国立京都国際会館
📷 FUJIFILM X-T5
🐈2026/09/21

参考リンク
モダニズム建築 | 国立京都国際会館

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2026年9月13日 (日)

ONN — 温 静けさの温度。京都甘味処

ONN — 温
静けさの温度。
京都・新京極|2026.09.13

新京極の賑わいから少し離れたところに、静かに佇む茶菓子「温」。
知らなければ通り過ぎてしまいそうな入口です。
扉を開けると、街の音が少し遠くなり、そこだけ時間の流れがゆっくりになったようでした。

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窓から入るやわらかな光と、その向こうに見える緑。古いものの表情を残しながら、
丁寧に整えられた空間です。
華やかではないのに、視線を動かすたびに気になる景色が見つかり、
自然とカメラを向けていました。

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丸窓、棚に並ぶ器、ぽつんと灯る電球。
使い込まれた素材や、壁に落ちる光と影まで、ここではひとつの景色に見えてきます。
建物を見るときの癖なのか、つい細かなところまで眺めながら、静かなものを拾うように撮りました。

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一人だったのでカウンター席へ。目の前で丁寧にお茶を点てていただきました。
茶筅が動く様子と、その小さな音。カメラを構えながらも、いつの間にか撮ることより、
その時間そのものを楽しんでいる自分がいました。

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季節の和菓子と抹茶をいただき、カメラを置いてもう一度店内を眺める。
写真に残したくなるのに、撮ることを忘れてしまいそうになる場所。
新京極をぶらぶら歩いた日に、またふっと立ち寄りたくなる。「温」は、そんな場所でした。

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Essay & Photography
by Koto

📍京都・温
📷 FUJIFILM X-E5 & iphone17pro
🐈2026/09/17

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2026年8月29日 (土)

Thunderstorm|比叡山、夏の空が裂けた夜 2026

Thunderstorm|比叡山、夏の空が裂けた夜 2026

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今日が終わる前の、ほんの少しだけ特別な光。2026.08.22|18:10

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遠くまで見える日は、少し遠くへ行きたくなる。2026.08.22|18:11

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青い時間は、思っているよりずっと短い。2026.08.22|18:42

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街の灯りを眺めながら、もう少しここにいたくなった。2026.08.22|19:03

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きれいな夜ほど、空の向こうが少し気になる。そして変化が。2026.08.22|19:10

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その瞬間だけ、時間が止まったような気がした。2026.08.22|19:30

・・・

比叡山ドライブウェイから眺める、夏の夕暮れ。

雲の隙間からこぼれる光。
遠くに霞む街並み。
山の向こうには、静かな琵琶湖。

少しずつ色を変えていく空を眺めながら、
気になる景色にカメラを向けて過ごしました。

日が暮れるにつれ、街には小さな灯りがひとつ、またひとつ。

その一方で、空には大きな雲が広がっていきます。
遠くで、ときどき光る稲妻。

「もしかしたら、撮れるかも」

そんな気持ちで三脚を立て、4秒露光を繰り返していると——
突然、夜空いっぱいに一本の光が走りました。

ほんの一瞬。

でも写真の中には、枝分かれしながら空を駆ける光まで、
しっかり残っていました。

夕陽から青い時間へ。
そして、最後に出会ったサンダーストーム。

夏の終わりの比叡山で、
ちょっと特別な夜を見せてもらいました。

Essay & Photography
by Koto

📍比叡山ドライブウェイ 
📷 FUJIFILM X-E5 & iphone17pro
🐈2026/08/22

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2026年8月24日 (月)

神山湧水珈琲 水の音を歩く、夏の上賀茂神社

神山湧水珈琲 水の音を歩く、夏の上賀茂神社

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奉納された神馬の絵馬。静かな社殿に、長い時間の記憶が残る。

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青もみじの下、無数の風鈴が夏の光を受けて、涼やかに揺れる。

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水辺で羽を休めるハグロトンボ。流れる水だけが、夏を動かしていた。Dscf2269

木漏れ日の中に浮かぶ風鈴。風が通るたび、小さな音が重なっていく。

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真夏の上賀茂神社。白砂に強い光が落ち、社殿の影が涼をつくる。

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木漏れ日と水の揺らぎ。暑い京都にも、こんな涼しい場所がある。

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長谷川豪さんのベンチを見に来たけれど…

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神山湧水珈琲と、やきもち。暑さを忘れる、束の間の夏休み。

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境内でいただく神山湧水珈琲。参拝のあとに、もうひとつの楽しみを。

...

京都、38.3℃。

上賀茂神社の白砂には、真夏の光が容赦なく降り注いでいた。

けれど、ならの小川へ近づくと、空気が少しだけ変わる。
水の音、青もみじ、風に揺れる風鈴。そして水辺で羽を休めるハグロトンボ。

歩いたあとは、神山湧水珈琲とやきもちをひとつ。

長谷川豪さんのベンチでゆっくり――と思っていたけれど、
この日は残念ながら工事中。

それもまた、夏の日の記憶。

暑かったはずなのに、
写真に残っていたのは、不思議なくらい涼しい上賀茂神社だった。

Essay & Photography
by Koto

📍京都 上賀茂神社 
📷 FUJIFILM X-E5
🐈2026/08/23

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2026年8月23日 (日)

赤い灯りの向こう側 滋賀 萱野神社

赤い灯りの向こう側 滋賀 萱野神社

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境内へ続く道を埋め尽くす、無数の提灯。
昼とはまるで違う神社の表情に、足が自然と止まった。

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大きな御神燈の向こうに、幾重にも連なる赤い灯り。
ここから先だけ、別の時間が流れているようだった。

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近づけば、提灯の光は輪郭を失い、赤い霞へと変わる。
見慣れた境内が、少しずつ非日常へ沈んでいく。

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手前の赤を越え、そのさらに奥の灯りを覗いてみる。
提灯の隙間に、まだ知らない夜が続いていた。

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木々の枝と提灯が幾重にも重なり合う。
暗闇の中に浮かぶ文字までが、夜の景色の一部になる。

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赤い世界から少し離れると、静かに揺れる風鈴があった。
賑やかな灯りの途中で見つけた、小さな夏の涼。

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整然と並ぶ献燈。その一つひとつに名前があり、想いがある。
赤い光は、境内に集まった祈りまで照らしているようだった。

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左右から続く提灯に導かれるように、境内の奥へ。
振り返れば、歩いてきた赤い夜そのものが一枚の景色になった。

・・・

ESSAY|赤い灯りの向こうへ

夜の境内へ足を踏み入れると、
そこは赤い灯りに包まれていた。

幾重にも連なる提灯。
暗闇の中に浮かぶ文字。
奥へ進むほど赤は深くなり、
いつもの夜とは少し違う場所へ迷い込んだような気がする。

ふと頭に浮かんだのは、
『千と千尋の神隠し』の世界。

灯りの向こうに、もうひとつの世界があるような。
振り返ったら、さっきまで歩いていた場所がなくなっているような。

そんなことを想像しながら、赤い光の間を歩いた。

夏の夜は、ときどき不思議だ。

現実と物語の境目が、
ほんの少しだけ曖昧になる。

そんな夜の記憶を、写真に。

Essay & Photography
by Koto

📍滋賀 萱野神社
📷 FUJIFILM X-E5
🐈2026/08/22

 

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2026年8月15日 (土)

アートめぐり 模様の向こうにあるもの|マリメッコ展 京都文化博物館

アートめぐり 模様の向こうにあるもの|マリメッコ展 京都文化博物館

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赤煉瓦の京都文化博物館へ。今日はここから、模様をめぐる旅が始まる。

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色と形が軽やかに響き合う。扉の先には、自由な模様の世界が待っていた。

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花も色も形も自由。並べることで、ひとつの風景が生まれていく。

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植物を見つめ、描き、形を探す。模様になる前の静かな思考の時間。

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一本の線を重ね、植物が模様へ。デザインの始まりにある、手仕事の時間。

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一枚の資料から伝わる、ウニッコ。時を越えて愛される模様の原点。

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花と都市、色と線。ひとつの模様から、想像の世界が広がっていく。※会場内で上映されていたスライド映像を撮影したものです。

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描かれた模様が布へと移され、暮らしの中へ送り出されていく。※会場内で上映されていたスライド映像を撮影したものです。

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建築、風景、植物、花柄。分類すると、その発想の広さが見えてくる。

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布から服へ。大胆な色と模様が、人の動きとともに表情を変えていく。

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街を歩く人の手にもマリメッコ。模様はいつしか、日常の風景になっていく。※会場内で上映されていたスライド映像を撮影したものです。

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展覧会を離れれば、模様は街へ。デザインが暮らしの風景に変わる。※会場内で上映されていたスライド映像を撮影したものです。

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布が空間を舞い、模様が立体になる。見ることから、感じることへ。

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デザインを布へ、そして暮らしへ。映像からプリントの現場をたどる。

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模様の向こうにあるもの
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京都文化博物館で開催されている「マリメッコ展」へ。

マリメッコは、1951年にフィンランドで誕生したデザインハウス。
大胆な色彩と、花や植物、自然、都市などから着想を得た個性的なプリントで知られています。
大きな花を描いた「ウニッコ」は、
ブランドを知らなくても一度は目にしたことがあるほど象徴的なデザインです。

今回の展覧会で印象に残ったのは、そうした華やかな模様そのものだけではなく、
ひとつのデザインが生まれ、製品となって私たちの暮らしへ届くまでの過程でした。

植物を観察し、スケッチを重ね、自由な発想から形や色を探していく。
そこから生まれた模様は、プリントという技術によって布へと移され、
さらに工業化されることで、服やバッグ、インテリアなど多くの人の日常へと広がっていきます。

装飾として表面を彩るだけではない。
自然や街、記憶や物語から生まれたイメージを、暮らしの中で使えるものへと変えていく。
その一連の流れに、マリメッコのデザインの強さを感じました。

会場では「建築」「風景」「植物」「花柄」「ストーリーテリング」「装飾」という
6つのカテゴリーからプリントを読み解く展示もあり、
普段何気なく見ていた模様の奥に、
それぞれ異なる発想や物語が存在していることにも気づかされます。

そして、会場のインタビュー映像の中で語られていた
「サステナブル」という言葉も印象に残りました。

新しいものを次々と生み出すだけではなく、ひとつのデザインが時代を越えて愛され、
長く使われていくこと。素材や生産のあり方を考えながら、
これからの暮らしへデザインをつないでいくこと。

1950年代に生まれた模様が、今も新鮮さを失わず私たちの日常に存在していること自体、
マリメッコが積み重ねてきた時間を物語っているようにも感じます。

さらに会場には、ミナ ペルホネンの皆川明さんによるインスタレーションも。
平面だった布が大きく曲がりながら空間へ飛び出し、
模様そのものがひとつの風景へと変わっていきます。

京都から巡回が始まった今回の展覧会。

自由な発想から模様が生まれ、プリントされ、工業製品となって暮らしへ届く。
そして、長く使い続けることのできるデザインへ。

「かわいい」「鮮やか」だけではないマリメッコのものづくりと、
その先にあるサステナブルな未来まで感じることのできた、充実した展覧会でした。

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KYOTO
京都文化博物館 2026年7月4日(土)~9月6日(日)

TOKYO
東京都庭園美術館2026年10月3日(土)~12月20日(日)

HIROSHIMA
ひろしま美術館2027年1月30日(土)~3月28日(日)

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ホームページ
https://marimekko-ex2026-2028.jp/
https://x.com/marimekko_2026
https://www.instagram.com/marimekko_ex2026_2028/

📍京都文化博物館
📷 FUJIFILM X-E5 & iphone17pro
🐈2026/08/15

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2026年8月12日 (水)

【お盆休み特別編】長浜の味と、新しいカメラと。

【お盆休み特別編】長浜の味と、新しいカメラと。

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黒壁の町並みに馴染む古い町家。暖簾の向こうに、長浜の味を訪ねて。

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長浜名物、焼鯖そうめん。手描きの献立を眺めながら、しばし迷う。

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焼鯖そうめんに焼鯖寿司。長浜らしい味が、一つの膳にずらりと並ぶ。

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甘辛い鯖は箸でほろり。旨みをまとった細いそうめんが、なんとも美味しい。

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香ばしい皮に脂ののった鯖。酢飯の酸味と山葵が、味をきりっと締める。

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目にも鮮やかな近江の赤こんにゃく。味噌の風味と素朴な食感を楽しむ。

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ふっくら炊かれた豆と小さな海老。やさしい甘みが、うれしい箸休め。

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澄んだ出汁をゆっくりひと口。鯖の濃厚な余韻を、やさしく整えてくれる。

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今日のもう一つの主役、X-E5。長浜の味と、新しい相棒を一枚の写真に。

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瓦屋根と年季を重ねた看板。美味しい余韻を残して、再び長浜の街へ。

・・・

【お盆休み特別編】長浜の味と、新しいカメラと。

2026年8月9日、長浜・黒壁スクエアへ。

古い町家が並ぶ通りを歩いていて、この日の昼に選んだのは「翼果楼」。
重い暖簾をくぐると、外の暑さから少し離れたような、落ち着いた時間が流れていました。

手描きの献立を眺めて選んだのは、長浜名物の焼鯖そうめん。
せっかくなので焼鯖寿司もいただきます。

運ばれてきた膳は、なかなかの存在感。

まずは焼鯖そうめんから。

甘辛く炊かれた大きな鯖に箸を入れると、身がほろりとほどけます。
しっかりした味なのですが、決して鯖だけが主張するわけではありません。
その煮汁と旨みを細いそうめんが吸い込み、鯖と麺を一緒に口へ運ぶと、
ようやく一つの料理が完成するような感覚。

素朴なのに、妙にあとを引く美味しさでした。

焼鯖寿司は、また違った鯖の表情を楽しめます。
香ばしく焼かれた皮、脂ののった身、そしてほどよい酸味の酢飯。
そこへ山葵をほんの少し。
濃厚な鯖の脂がすっと軽くなり、もう一つ手が伸びます。

鮮やかな色に驚かされる近江名物の赤こんにゃく。
ふっくら炊かれた豆と小さな海老。
そして、最後に口にする澄んだお吸い物。

主役の焼鯖だけでなく、小さな一品まで順番に味わってみると、
その土地で受け継がれてきた食文化そのものを、
一つの膳でいただいているような気がしました。

そして、この日のもう一つの目的が、
新しく手にしたFUJIFILM X-E5の試し撮りです。

愛用のX-T5が故障中という予定外の出来事から、
思いがけず早く実戦デビューすることになりました。

この日は、X-E5のキットレンズ「XF23mmF2.8 R WR」を装着。
小さなボディに薄型の23mmを組み合わせると、とにかく軽快です。
料理を撮るにも、店を出てそのまま街を歩くにも、
レンズ交換を意識せず一本で楽しめました。

手にしてまず感じたのは、長く使ってきたX100Vに通じる気軽さ。

大きなカメラバッグを構えるのではなく、小さなボディをさっと持って街へ出る。
気になったものがあれば立ち止まり、すぐシャッターを切る。

私にとってX-E5は、そんなX100Vの軽快さを持ちながら、
レンズ交換という自由を加えた
「X100Vの交換レンズ版」のような存在に感じます。

一方で、撮れた写真をLightroomで開くと、
そこには普段使っているX-T5に通じる感覚がありました。
X-T5と同じ高解像センサーという安心感もあって、
色を整えていく作業にも大きな戸惑いがありません。

風景や建築とじっくり向き合いたい日はX-T5。
カメラを肩から下げ、街を歩きながら旅の断片を拾っていく日はX-E5。

そんな使い分けも面白そうです。

これまで旅先では、建築や風景に目を向けることが多かったけれど、
美味しかったものも、そこで過ごした時間も、
やはり大切な旅の風景。

一皿ずつ味わい、一枚ずつ写真に残す。

長浜の味と、新しいカメラ。

写真で残しておきたいものが、
また少し増えた一日でした。

2026.8.9
滋賀県長浜市

Camera:FUJIFILM X-E5
Lens:XF23mmF2.8 R WR

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2026年8月 3日 (月)

岐阜めぐり 水の気配、森の記憶|養老の滝

岐阜めぐり 水の気配、森の記憶|養老の滝

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滝音に包まれながら、深い森の静けさへと分け入っていく。

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流れ落ちる水の傍らで、幾重もの緑が静かに息づいていた。

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白く流れる水に重なるシダ。森の時間をそっと切り取る。

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水しぶきのそば、岩陰にひっそりと咲く小さなイワタバコ。

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水をまとった岩肌に光が宿り、黒の中に静かな表情が浮かぶ。

・・・

岐阜を巡った一日の途中、久しぶりに養老の滝へ。

滝へ近づくにつれ、聞こえてくる水音。
木々に囲まれた渓谷へ入ると、夏の強い陽射しも少し遠のき、
ひんやりとした空気に包まれました。

目の前には勢いよく流れ落ちる養老の滝。
けれど、この日なぜかレンズを向けたくなったのは、
その姿だけではありませんでした。

水しぶきを受けるシダの緑。
岩陰にひっそりと咲いていたイワタバコ。
そして、絶えず流れる水に濡れ、鈍い光を返す黒い岩肌。

大きな景色のすぐそばにある、小さなものへ目を向けてみる。

滝の音が響いているはずなのに、
ファインダーを覗いている時間は不思議なくらい静かでした。

水、岩、緑、そして一輪の花。

名所としての養老の滝とは少し違う、
森の奥に流れていた静かな時間を、五枚の写真に残しました。

2026.8.1
岐阜県養老町

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2026年8月 2日 (日)

岐阜めぐり 株杉の森 熊鈴の音が響く、株杉の森へ

岐阜めぐり 株杉の森 熊鈴の音が響く、株杉の森へ

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8月の森に、まだ紫陽花。少し遅い季節の色に出会いました。

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大きな木の根元で静かに咲く、淡いブルーの紫陽花。

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紫陽花に見送られるように、少しずつ深い森の中へ。

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森の奥に現れた株杉。長い年月がつくった不思議な光景。

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古い株から、再び空へ伸びる杉。その生命力に圧倒されます。

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足元から見上げた杉の森。木々の隙間に夏の空がのぞきます。

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刻まれた年月を感じる木肌。近づくほど、その存在感は大きく。

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森を抜けて眺めた山の緑。あの深い森が静かに広がっていました。

・・・

名もなきモネの池をあとにして、向かったのは「21世紀の森」。

8月1日。真夏だというのに、森の入口ではまだ紫陽花が咲いていました。
標高が高いからでしょうか。
少しくすんだ青や白の花が深い緑によく似合い、
ここだけ季節がゆっくり進んでいるようでした。

その先に待っていたのが「株杉の森」。

長い年月を経た巨大な杉の株から、何本もの新しい杉が空へ向かって伸びています。
古い株と若い幹がひとつになった姿は不思議で、どこか神秘的。
十数メートルもの高さへ伸びていく杉を見上げていると、
自然が持つ生命力の強さに圧倒されます。

ただ、この日の撮影には少し緊張感もありました。

これまで風景を撮り歩く中で、イノシシや大蛇、
そして天然記念物のニホンカモシカと遭遇したことがあります。
思いがけない場所で野生動物と出会うことは、
決して想像の中だけの話ではありません。

そう考えると、
この深い森で熊に出会ったとしても不思議ではない。

周辺には沢もあり、人の気配も少ない。
熊鈴を鳴らしながら歩いていても、風で葉が揺れたり、
どこかで枝が折れる音がしたりするたびに、思わず周囲を見渡します。

それでも目の前に現れる株杉の姿には、
立ち止まってカメラを向けたくなる。

美しさと、少しの怖さ。

自然を撮るということは、
その両方に触れることなのかもしれません。

熊鈴の音を森に響かせながら歩いた、
8月の株杉の森。

圧倒的な生命力と静けさ、
そして撮影中に感じた緊張感まで、
この日の記憶として残しておきたいと思います。

2026.8.1
岐阜県関市 板取

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